或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

どうしようもねえなこいつ。殺しちゃおうか

私は20歳ですが、今日35歳の彼女にメールで私の日々の行い、考え方、音楽の趣味、性癖、音楽以外の趣味、つまり人間性を全否定されその上で三行半を突きつけられました。
これから電話して「いやそんなことはないですよ。俺はこんなにすばらしい人間なんだ。そういえばあなた、ディズニーランドに行きたがってましたね。いやいやディズニーランドなんか行ったって俺のほうが際立ってディズニーランドどころじゃないんだ。決まってるんだ。これはもう決まってることなんですよ。根拠?そうか、根拠か。それはね、ちょっと待ってね。あのですね、つまりですね、云々・・・」と20分ほど掛けて滔滔とかなり往生際悪く自分をプレゼンしてみようと思います。
それでも無理だったら最寄り駅の夜中にバスターミナル前でごろごろたむろする腐ったみかんたち(私の同類)を素手で殺しにいこうと思います。一人でも道連れにできれば幸せ。
俺に必要なのは俺を全否定する人間なんです、近しい人間なら近いほどいいんです。今のところ家族は母親以外私を全否定中です。つまりもう家庭にはそれを望めないんです。母親は自分の性器からひり出した分身を否定することは絶対にできませんからね。ですが私は異性から全否定されたい!だからやっぱり猫が好き、じゃなくてやっぱり彼女と言う存在は私を否定し続けてほしいんですよ。異性の友人は否定するということを知りません。だって否定したら友人関係が保てないからね。はい?なんで拒絶を求めるのかって?当たり前じゃないかこんな人間肯定されたらもうおしまいなんだよ!死ね!!いや殺してやる。あご持って屠ってやるからな。ちょっと待ってろよ。・・・はい?なんで異性から否定されたいのか?あーちょっとわからない。考えて見ますよ。よかったねこれで少し寿命が延びたね。・・・・
・・・はい?自分を肯定できない人間に恋愛は無理だって?入信しろって?え?・・あ、入院か。・・なんてひどいこと言うんだ!・・あ、いいね、否定だね。好き好き!否定出ました!わーい!ん?怖いって?当たり前だろう俺は怖いんだよ!
・・・・はい?ああ、ごめんなさい。最近忙しいんですよ・・・え?その言い訳はもう聞き飽きた?ああ・・・ごめんなさい。本当にもう、謝るしかないんですよ。え?その付け加え方にも飽きた?じゃあもう無理ですね。すいませんでした。まったくもって、すいませんです。全部俺が悪いです。え?そういう逃げ方が一番ずるい?・・・ああ、やっぱり最後まで容赦ないですね。そうですね。じゃあ俺が七割がた悪かって今日のこの事態。え?もう何も言うな、と。なにか言うたびにむかつく、と。当たり前だろ、むかつかせようと思ってわざわざ電話してるんだから。え?なに?・・・ああ、切れちゃったよ。おーい。
しょうがねえ、家に直接行くしかない。ああ、逮捕されるだろうなこの分だと。長かったなあ。やっとこれで不自由の身、つまり一生の自由の身の獲得だー。
え?説明になってない?じゃあ説明するけど説明が終わるころには君は俺を嫌いになってるだろうね。だからやだよ。嫌われたくないよ。ちょっと待ってよ。待ってくれって。もう死んだほうがいいのかなあ俺。・・・え?死ねって?ちょっと待ってくれよそんなひどい言い草ないだろうよ。もっと言葉を選んで俺を拒絶してくれよ。俺は弱い人間なんだよ。そんなこと言ったら本当に俺死んじゃうって。え?本当に死ねって?わるいけどどうしたって俺は死なないよ。根拠?だって俺に死ぬ気がないんだから。言っとくけど死んだらこの世はおしまいなんだよ。だから死ななかったらいつまで経っても俺は死なないんだよ。・・・まったく以て陳腐?うるさい馬鹿!いやそうだね、安っぽいね確かに。
でも言っとくけどこんなこと話すの君だけだよ。・・・「それを友達みんなに言ってそのうちの数%に腫れ物に触るようにやさしくかまってもらえてお前は幸せだね」、って・・・そうだね俺は幸せだね。間違ってるね。俺が間違ってたよ。ちょっと死んでくるよ。待っててね。・・・ああ、いや、だからさあ、俺にとって必要なのは厳しく当たってくれる人間なんだって。だから君が俺に必要なんだってば。そして君にとってもね、そういうどうしようもないね、こんな寄生行為にしか生きる動機付けを持たない奴がね、友達にひとりいたほうが、君の価値形成にね、だから視野形成に一役買うんじゃない?言っとくけどこういう寄生行為で得られる生きるモチベーションって、すごいんだから。そりゃもう傍若無人。あたまの悪い君のために噛み砕くと、傍らに人無きが如し!そしてこんな風に妄信的よ。それはさっき証明したけどね。繋留しといて損はないんじゃない?悪いけどそんな時間はない?エサ代もない?俺は忙しい?余裕のある金もない、か。そうか。あいにく俺も忙しいよ。働かなきゃ食っていけないからね。
「本当は暇なんだろ?」
。。。ひどいな。図星だな。暇だからこんなこと書いてるんだよな。でもここでもっと突っ込むべきはお前は無職だろ、ってことだよ。そこ突っ込まなきゃ。でも人のいい君のことだから、あえてそこは避けてフックくらいにとどめてくれたんだね。やっぱり俺は鋭いね!やっぱり君は優しいね!ぐうの音も出ないよ。完敗だ!俺の負け!一生の付き合いをお願いしたいなー。断るんだろうね君は。そうか。賢明な判断だと思うよ!俺が君でもそうするもの。つまり君は俺に完全に見切られてるんだよ?悔しくない?なんか。負けた気しない?それが嫌ならもうちょっと付き合ってよ。頼むって・・俺今日彼女に振られて落ち込んでるんだよ。これからは暇になるんだってさあ。ねえ。