或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

それはただの気分さ

18年前にダンスミュージック研究会(大学の軽音サークル)の合宿で「毛細血管」という曲を作って1学年下の後輩の女子に無理やり歌わせた、歌ってもらったという余興をいまだに覚えている。気持ち悪いのは、鮮烈すぎるくらいに景色とバンドの演奏、歌声をはっきりと覚えていること。さらに気持ち悪いことにその曲の歌詞をさっき思い出そうとしたらすぐに出てきた。

 

愛してると言って あと2時間だけ夢を見させて 恋をしてるのは 恋をしてるのはあなたの毛細血管

 

どういう意味かわからないし、泥酔しながらの練習中に口をついて出てきただけ。口から出ただけのイメージのない言葉の意味をあとから自分で考える。いましてみる。後付け、こじつけになるがしてみる。

 

愛してると言って(言ってくれないのはわかっているけど)、あと2時間だけ夢を見させて(fishmansの「MELODY」の一節をそのまま引用) 恋をしてるのは(そもそもこれは恋ではない、セフレだから)あなたの毛細血管(恋じゃないけどセックスはあなたにとって、全身に通う、全身に満ちた気概でぶつかるものであってね、ついでにとても薄い壁を通して私の老廃物を回収してね)

くどいが()をはずして書きなおす。

私のためにとりあえず愛してると言ってほしい、宿泊なんてせずにいつも休憩¥4,980で入ってるんだからせめて建前を言ってほしい。すぐに忘れるくだらない夢をあと2時間だけ見させてほしい。セフレの関係は私からその時々に気まぐれに求めるだけの勝手なものでいいし、その方が楽だ。あなたの気持ちは私には関係ないしこれは恋じゃない。でもあなたには全力で誠実でいてほしい。あなたが本気で誠実でいつづけることでしか、こんな単なる運動と発散の関係は続かない。あなたにはいつも心身ぐったりと疲れていてほしい。それはただの気分さ(君の一番疲れた顔が見たい)。そうじゃないとめちゃくちゃ腹が立つ。あなたには勝手に私に恋をしていてほしい。私のこの身勝手さは恋じゃない。ならこれはいったいなんなんだろう。

 

もう一曲、「六大学」という曲も作って歌ってもらった。この余興の直後に、先輩に「あんたバカでしょ」と言われた。バカじゃないです。

 

初めてMELODYを聞いたとき、「ゆれるテンポの中で」が「揺れるベッドの中で」に聞こえて、そこで「見たこともない顔を見せる君」、あ!セックスだ!!としか思えなかった。歌詞を見てベッドはテンポだったと気づき恥ずかしくなった。でも本当の歌詞そのままでも少しセックスだ!!!