或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

フリーダム

 臭いものに蓋をしようと、俺は先ほど六畳の自部屋にて息巻いた。臭い参考書、臭い元彼女、臭い父親、臭い学級閉鎖。どいつもこいつも、ついに俺を認めようとはしなかった。そのひとつひとつに、入念に迅速に蓋をしてあげる俺。フリーダム。フリーダムなんです。これはいい。部屋はにわかに透明無色。
 満足した俺はまた、せっかく無臭状態の部屋をまたイカ臭くした。