或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

教室の窓から見える雑木林はいつの間にか一糸纏わぬして、貧相な肢体を晒している。授業終了は六時二十分。三ヶ月前まではセレブな佇まいの木々のせいで見えなかったお月様も今は本当によく見える。星空まで覗く。
教室内ではさまざまなグループがそれぞれ、合同自殺の日取り、昨日セックスした女がヤリマンだった超むかつく、いや、俺なんかこの前やった女処女だったマジ最悪ありえねー、年明け国営放送で放送されたクラシックのマエストロのタクト捌きを絶賛、などの喧騒を展開する。
自分はずっと窓の外を見ていたがやがて外も真っ暗。