或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

僕の体はあきらめでできていてそれに気づいたときに前向きな人間になることをあきらめた。そうしたら体は軽くなりノリも軽くなり肘をたたんで打つことができるようになりバッティングセンターに行けばホームラン賞の洗剤をたくさんもらって帰ってくるようになった。
僕の頭は恥ずかしい過去のはきだめで昔の初恋も明日の失敗も全部昨日のことのように見えている。毎日毎日泣きながら家路に着く。家に帰っても泣く。泣く泣くテレビのリモコンを探す。見つからないのでオナニーする。してるときだけ意識はディスプレイの中の無修正動画に釘付け。俺はくちづけ。諦念畑のスプリンターはすなわち早漏だからなんべんもマスカキ。馬鹿になっていく。そうだ歌を歌おう。好きな歌を歌おう。まるで自分が作ったみたいなくらいに好きな歌を。
僕の体はあきらめで、僕の頭ははきだめだ。僕の心は無いさだめに従う従順なやつだ。古典的だ。荒唐無稽だ。開明の世は近い、死んだ僕はそれを見れない。
といった人間ほどおめでたいものは無くて自分のことだけで毎日思案して暇無し。温室育ちも甚だしい。学生って本当に特権階級。