或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

地元の駅前で10年ぶりに再会した友人はやけにハイテンションだった。
「そこのマックで積もる話の埃をはらいながらだらだらしようよ」
やおらの提案。しかしそう言った友人は果たして話が弾むのだろうか、といったような不安げな顔を判りやすく僕に見せてくれた。
僕は急用を思い出したほうがいいのだろうか。
結局急用を思い出したのは向こうのほうだった。僕は無力だった。