或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

此処は何処なんだろう

イアンマッケイが掲げた「ストレートエッジ」を、日酔った大学生がその後現在のマッケイ御大の佇みもおもんぱかり遠目に至極独善的に咀嚼すると以下のようになる。




「僕はハードコアじゃないけど、君の気持ちがわかるよ。
つまり人の気持ちを理解するのに
ハードコアである必要はないんだ」


上記のスローガンを胸に刻んで俺は新たな宗教を興しかかるのち「ハードコア撲殺計画」を立ち上げしかして草の根掻き分けてハードコアを踏み潰し根絶やすその活動は形容するなら「ハードコア」としか言いようが無く、つまり倒錯しているのが人間本来の態であると言う理念を地で行くと言うことです。「倒錯しているのが人間本来の態ではないよ」と言われても俺は奇しくも新興宗教の教祖の身なので馬耳東風です。ていうかまじぶっ殺すよ?
まずは「宗教を信じれば救われると言う理屈は分かるが、宗教そのものを信じろと言う理屈は、いくらチャートを立てられてもひとつも分からない」という至極健全なしかし俺にすれば堅物どもを説き伏せときには組み伏せ、そうハードコアだからね、主にだいたい組み伏せていき。いつしか国境も越えていて、思えば遠くへ来たもんだ。最終的にイスラム原理主義などといったもろハードコアなのも含めたあまねく宗教倫理を先のスローガンで崩壊させ破壊し「ハードコアにならなければ人類みな兄弟」と、「ハードコアにならなければ人間の思想これいかにも平易」などと各メディアで街頭で全裸でがんばってトリリンガルくらいになって絶叫しつづけいつかはイアンマッケイ御大とさしで話してぶん殴られたいと。
ぶん殴られたのち感銘を受けて「人間は皆、一度ハードコアを通過しないと分かり合えないよ。ていうか俺もそうだったよ。」と流麗極まりなく全人類にあまりに矮小な手のひらを返すも、とき既に遅し俺は世界中からダダシカトをこかれていて47歳。と言うか俺は最初から世界に相手にされていなかったんだ!
高円寺六畳一間のアパートの隅で冷たくなっているのを新聞料金回収のおばちゃんが4ヶ月目に見つけて俺はおしまい。世界は続く。