或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

カレーヌードルばかりくっててもいいのか

高校時代、気まぐれに七時半ごろ学校に登校したことが一度だけあったが、教室に入るとすでに一人机に向かって予習する女の子がいた。自分のすぐ一つ前の子だった。なぜか自分は極力音を立てないようにそそくさとすぐ後ろの自席についた。
「真面目な女子だなあ」という印象を持たなかったのは、ふしだらな具合に右下がりに髪の毛のかかったうなじと、髪の毛の無防備に蒸れた甘い香りと、あとは少し大きめのヘッドフォンから爆音でこっちに漏れてくるバックホーンのせいだったろう。ひょうひょうと。そして一曲終わると、今度は椎名林檎が始まった。丸の内サディスティック。
「この人は自分で編集したMDを他人に聞かれるの平気なんだなあ」と思いつつ、聞こえないだろうが「おはようございます!!」と言ってみた。
丸の内サディスティックを聞き終わるとその子はヘッドフォンをはずしてこっちを向いて「おはよう!!」と返してきた。私の挨拶が聞こえていたのかいないのかはわからないが間近で見るその子の笑顔は超かわいかった!!!そして不遜にも「つややか!!!」と思わずにはいられなかった。
その間もウォークマンからはバックホーンが流れていた。
「いつもこんなに早く来てるの」と聞けば「朝の教室が気持ちいいから毎日来てる」
バックホーンが好きなんですか」と聞けば「椎名林檎も好き」
そのあと見事にバックホーンと椎名林檎が一曲ずつ交互にラリー形式で漏れてきて最後は椎名林檎の依存症でフィニッシュ!!!なんとも微妙な気分になりました。

イースタンの「敗者復活の歌」のバックホーンみたいな歌い回しからこんなことまで思い出しました。「!!!」、チックチックチックはとくに好きでも嫌いでもない。