或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

次男坊の父が、私や弟といった子を残すまで、先祖12代続き分家が派生しなかった家系の不思議のせいで、帰省しても親戚の姿はほとんどない。しょうがないからこちらから実家周辺の遠い親戚の家々を訪ね盆気分を味わうのですが、そうなると今度は遠い親戚だけに無尽蔵に繋がるわ出てくるわ。
おやつ時に実家から車で5分の、祖母の姉がやっている民宿へ。この民宿は盆は客を取らないそうだ。宴会場にあがれば盆なので当然のことすでに全員座を囲み出来上がっている。促されるままに自分はビールを飲み続けた。わんこそばの要領で間断なく注いでくる隣のおっさんにへらへらしながら30分。目の前に並ぶ自力のビール瓶6本をみて一言「すごーい」と残し仰向けにぶっ倒れたのは言うまでもない。
夕方実家へ帰ると居間には祖母の別の姉家族が来ており、中にひときわ色気全開の娘さんがいた。どこぞの女優かと言う後光の差したようなオーラを湛えたうつくしい佇まいに目をあわせられなかった。震えが来た。アル中かしら。しばらくして祖母がその娘さんを指差し「この子は君のはとこだよ」と自分に紹介しましたので、自分と薄くとも血縁関係のあることがこっぱずかしくてしょうがなかった。なぜか申し訳なかった。子汚い俺。ドアを閉める俺。あーあ言っちゃったよ