或る阿呆のナマステ

それこそひそやかに

Good Guys (Don’t Wear White)

友達の女の子が「彼氏とセックスするときに一切避妊の類を施さない」と酒席にて口にしたとたん、なんかこの先友達として付き合っていけるのかすごい心許無くなった。理由から言うと、本当のセックスを知っている人とどう接すればいいのだろうか。と言う手前の不安。
自分はゴムをつけないセックスというものをしたことがない。それは相手への最低限の配慮であり、まあ本音は自己防衛だけだが。自分は耽溺家ではない。いい気持ちにふけっておぼれない。部屋の壁紙はタールで末期色だが。将来のことを考えただけで足元いつもぐらんぐらんする卑小者だ。
目の前のこの女は、現時点で性交渉を持つ相手は一人しかいない。危険日にはセックスしない。セックスのほかに楽しいことなんていくらでもあると言う。それは自分も本当にそうだと思うが。
「相手の配慮の無さとか、気にならないの?」←底意地の悪い自分の乾坤一擲の皮肉
「いや、配慮が無いとかじゃないから。お互いが信用してるし、これちょっと引く話になっちゃうけど二人とも検査とかもしたし。程度の低い話、ゴムないほうが気持ちいいよ」
いやあこの人の事を好きになりそうだ。この人は生の刺激を知っている人だ。自分に無いものを持っている人だ。新しい人だ。生(リッシンベンをつけるとなんか生きていくのもだるくなるね)の実感を噛み締めながら暮らしている人だ。同異性問わず、人と近しくなるのは、相手に自分と近しい部分を感じるからだが、好意を持つタイミングは、自分と相手とのずれが少しずつはっきりしていく過程の中にしかない。ずれが大きくなるほどこちらの憧憬は膨らみ、付き合い方にまごつき、次第に距離は置かれていく。そうして気がつくと疎遠になっている。
風俗通いを重ねた自分にとってはいまさらもう手の届かないそういった人種に好意を抱くのははなはだ不毛なことだが。
ゴムなしセックスの気持ちよさを知ってる人がいたら、そのいかにすばらしいかコメントください。
これ書いて、上げて、最下部のカウンターを見たら「6749」。むなしくなったからもう寝よう。