梅雨が続くが終わった後は俺だけじめじめするのか

バンドのドラムと合気道のトレーニングをした午後九時。
ドラムの彼曰く、バンド内のボーカルの女性が
「ベース(僕)が私のこと嫌ってるから、もう私抜ける」
と言ったそうで、お互いトレーニングによる汗臭いのと息の荒い中彼は言った。
「お前、本当に彼女を嫌ってないなら、彼女でオナニーしろ」
「はい!オナニーします!!」

帰宅した瞬間ぐったりと来て、まあいいやオナニーしたと言っとこう、おやすみ、あ、金縛り。
金縛りの中で、元彼女とセックスする夢を見て夢精していました。


ライジングサンロックフェスに行くぞ!!北海道まで往復一万円!片道24時間の旅!
スライマングースムーンライダーズを見るのだ。小谷美紗子を見るのだ。

シニタイヤツハシネ

他人の弱気に構ってられないよ
俺も弱腰で虚勢を張りながら毎日仏頂面で生活している
他人の愚痴に共感できないね
見聞録主観だらけ
シニタイヤツハシネ、という呪文で気楽になれる
自分には関係ないのだ他人の弱気は
ずたずたになってにっこり笑う人間にねぎらいの声をかけたい

最近早川義夫を聞いているがそんなことばかりが頭をよぎる。

ドメスティックアニマルズ

隣の部屋で弟がセックスしてるから爆音で音楽が鳴ってるけど聞こえねえよ
隣の部屋からヘッドフォンで聞けって怒号が飛んでくるから爆音で音楽が鳴ってるけど聴こえねえよ

男は行く

学校に行く前にパチンコを打って五百円で当たりが来て8千円勝ったのでエフェクターを買った。
男よ行け。初恋の女の子(現在コンビニでバイト中)の夢を見て夢精してへこんでいる暇など無いのだ。男よ勝て。
俺はお前に負けないが、お前も俺に負けるなよ

こんな気分も春一番に乗りますか

オオカミ少年は性転換してゲイバーのナンバーワンホステスになった。
彼は彼の村が4年前本当にオオカミの群れに村を襲われたその直後に、村を追われたのであった。
「お前が普段から嘘をついてなければ、みんなお前を信じたのに。全部お前のせいだ」
元少年であるナンバーワンは村を出てせいせいしていた。
どいつもこいつも被害者面しやがって。俺の吐いた嘘を依りしろにして団結して村を建て直しやがって。
被害者はいつだって正義だ。加害者はいつだって絶対的な悪なのだ。相対的な物なんて誰も欲しがらない。気まぐれなオオカミではなく気まぐれな俺の嘘をそれに見立てれば話は早い。
ナンバーワンのニューハーフは畢生加害者サイドに立って生きていくことをこの時に決めた。
ゲイバー仲間の不美人な同僚と二人で飲んだことがあった。
「ああ、あたしなんで竿も玉も取ったって言うのにこんなに不遇なんだろう。」
オオカミニューハーフはそれに答えて
「そもそもお前は何でニューハーフなんかになったんだ」
「だって男でも女でもなくなれば生きて行くのがすごい楽になるような気がしたから。なんか枠に嵌った性別それぞれの社会的責任みたいなものを両方放棄出来るような気がしたから」
「結局ニューハーフにはニューハーフの社会があるのに気づいただろう。そこでお前は被害者面をするのか。ニューハーフなんていう異端の集団の中にいて、正義を気取るつもりか。被害者はいつも自分が正しいみたいな顔をするな。だが本当に正しいのは確信犯だぞ。加害者だ」
「意味がわかんないんだけど」

自分の誕生日忘れるくらいに少し猫背のままでいるだけ

ベンチに座ると隣の老人がぼやく
「腹減った。銭が無え。」
バスに乗ると前の老人がつぶやく
「最近の餓鬼どもはあれだな、ハンバーガーばっかり食ってるから脳みそもあんな感じなんだな。俺が親だったらぶん殴ってやる」
朝の満員電車に乗ると優先席で老人が女子高生に怒鳴る
「俺はペースメーカー入れてんだ。文字打つな殺すぞ」
それを聞いたサラリーマンが激昂する
「黙ってろくそじじい。なにもしらねえくせに」
サラリーマンは優先席に腰掛け、ノートパソコンを繰り始めた。女子高生は携帯の電源を切り、座席を立ちしきりに老人に謝っている。
携帯電話がペースメーカーに及ぼす影響など微々たる物と言うかほぼ皆無。誰が悪いのか分からなくなり、サラリーマンと老人の間、女子高生の元座席に腰掛ける。誰が悪いのか分からないので老人に意見を請うた。
「やっぱりね、隣で電気使われると不安なんだよね。…怒鳴ったのは悪かったね…今はね、ユビキタスの時代だからね、仕方ないけどね。高齢化も並行して進むからね、ややこしい時代だよね」
どうでもいいが老人の口から「ユビキタス」と言う単語を聞くと、外国人が「どうかご自愛ください」とでも言うような心地よい違和感を覚える。
隣のサラリーマンに意見を仰ぎたかったがウォークマンで逃げていたのでほっておいた。周りの人たちは一触即発の事態だと思ったらしく僕を見るために僕の後ろの窓枠を凝視している。



朝から酒など飲まなければよかった。
高齢化が進めば老人の分母が増えるということだ。分子も増える。
団塊の世代がこぞって年金生活を始めたとき日本は未曾有の変質者社会へのシフトチェンジを迎えるだろう。